中学生と黒住教(その2)神様について 






1、今回のテーマ:神様のこと


先生:中学生の皆さん!お元気ですか?皆さんは今、学校の勉強、部活、塾の勉強などと、忙しい日々を送っている事と思います。このホームページでは、そういう皆さんに、少しでもお役に立ちたいと思って、前回は、何のために勉強するのか、何のために高校へ進学するのか、よい高校、よい大学とはどういう学校なのか、というような事について話し合いました。今回は少し趣を変えて、忙しい日々を送っている皆さんにとっては、恐らく考えた事もないような世界へ誘ってみたいと思います。これから始めるお話は、皆さんにとっては、全く関係の無い事のように思われるかもしれません。ところが、関係無いどころか、大有りで、人間として忘れてはならない重要な問題である事に、後になって気がつくに違いないと思います。


生徒A:それはいったいどういうことですか?


先生:神様のことです!


生徒A:えーっ!


 





2、黒住宗忠という人


先生:皆さんの中には、数は少ないかもしれないが、神様のこと、仏様のことについて、多少聞いた事のある人がいると思います。今日、これからお話することは、日本が生んだ世界的な宗教的大天才と言われる黒住宗忠という人が発見した神様のことです。黒住宗忠という人は、江戸時代の末期、明治維新のすぐ前の時代に生まれた人ですが、彼が発見した真理は、世界人類に通用し、いつの時代にも通用するものなのです。


 





3、日本の現状とその原因


先生:今日、日本では毎日のように凶悪な犯罪が発生している事は、新聞やテレビなどで皆さんが知っているとおりです。日本の現状は心の闇の時代とも言われています。いったいどうしてこのような時代になってしまったのでしょうか。


生徒B: 私たちにはよく分かりません。


先生:一言で言うならば、人間はどう生きるべきかという問題が、戦後の日本人の間で、ほとんど忘れ去られてしまった事にその根本原因があると私は考えています。戦争によって、経済的な生活がどん底に落ちた日本にとって、経済的に豊かになる事が先決問題でした。そのために日本人は一生懸命働きました。そのお蔭で日本は、物質的には戦時中の何十倍も豊かになりました。しかし、反対に心の中は空洞になってしまい、今日のような時代になったのだと思います。


生徒C: それではどうすればよいのですか。


先生:前にも言いましたように、人間はどう生きるべきであるか、という問題について、皆で本気になって考える事が大事であると思います。


 





4、人間が正しく生きていくためには


先生:物は豊かでも心が貧しければ、人も国も滅びてしまいます。人間はどう生きるべきであるか、という事は心の問題です。これについて深く考える事は心を豊かにします。心が豊かになれば、人も、国の文化も、より豊かに発展して行く事はまちがいありません。


生徒D: それでは、人間はどう生きるべきでしょうか。


先生:人間が正しく生きていくためには、本当の人間とはどういうものか、また、人間の本当の心とはどういうものか、という事について知らなければなりません。


生徒E: 本当の人間、本当の心とはどういうものですか?


先生:本当の人間の心とは神の心であり、本当の人間とは神の心を持った人のことです。ですから、人間が正しく生きるためには、神様とはどういうものか、神様の心とはどういうものであるかについて、知らなければならないのです。


生徒E: なるほど、よく分かりました。それでは、神様とはどういうものか、また、神様の心とはどういうものかについてお話下さい。


 





5、神様とはどういうものか


() 神様はあるのかないのか


先生:それでは、これからいよいよ、神様とはどういうものか、について見て行く事にしましょう。ところで皆さんは、神様は有ると思いますか、それとも無いと思いますか。


生徒A: 有るのか、無いのか、本当のところよく分かりません。


生徒B: 私は有ると思いますが、どこに、どんな姿で、どんな形でいるのか、見た事が無いので、よく分かりません。


一同:笑声!


先生:ごもっともです。神様は肉眼では見ることはできません。しかし、先ほどお話しました黒住宗忠という人は、自分の体験によって、はっきりと神を見、神とはどういうものか、神の心とはどういうものか、人間とはどういうものか、人間の心とはどういうものか、人間はどう生きるべきか、どうすれば人間は最高に楽しい人生を送る事が出きるか、という事について、確信を持って語り、数知れない程多くの人を救ったのです。そして、その教えを受けた多くの弟子たちもまた、宗忠の教えが真実である事の証拠を自分の目で見、また自分の体験によって確かめ、数多くの人々を救ったのです。ですから、私たちはこれから、黒住宗忠という人の説いた神様についての、偉大な真理を見て行く事にしたいと思います。そこで、神は有るのか、無いのか、という問に対しての答えは、「有る」という事になります。


生徒A: なるほど。


 


(2)神を見るにはどうすればよいか


生徒A: 神は肉眼で見ることができないということですが、どうすれば見られるのですか。


先生:これは、大問題です。答えは「心で見る」です。


生徒B: 心で見る、とはどういう事ですか。


先生:心の目で見る、という事です。


生徒B: 心の目で見る、とはどういう事ですか。


先生:心で「神が有る」という事が分かるという事です。


生徒C: どうすれば心で、神が有る、という事が分かるのですか。


先生:心を清く澄ますことによって「これが神だ」というふうに分かるのです。


 


(3)神様は心である。


生徒D: それでは、神様はどんな姿、どんな形で、どこにいるのですか。


先生:先ほどのB君の質問にもありましたが、これは面白い質問です。そして大変大事な質問です。答えは「姿も形も無く、全宇宙に満ち満ちている。」です。


生徒D: 姿も形も無く、全宇宙にみちみちている、とはどういう事ですか。


先生:神様は実は「心」なのです。神様が物であれば、また肉体を持っていれば、肉眼で見る事ができます。しかし、神様は「心」ですから、肉眼で見る事はできません。ですから、神は姿も形も無いというのです。しかし、そうだからといって、神が無いわけではありません。それは、あなた方の心が見えないけれども、「有る」のと同じです。


生徒D: 神様が姿も形も無いけれども、「有る」という事は分かりました。ところで、神が全宇宙に満ち満ちているとは、どういうことですか。


 


(4)全宇宙は心(神)である。


先生:只今のD君の質問は大変難しい質問です。これから説明しますから、よく心と耳を澄まして聞いてください。あなた方は、この世界、この宇宙は物で出来ていると思っていませんか。


生徒E: 思っています。


先生:確かに、この世界、そして全宇宙は物で出来ています。ですから、そこには、あなた方が物理や化学などで学ぶような自然科学の法則が働いています。しかし、これからお話する事は大変重要な事です。


生徒F: それは、どういう事ですか。


先生:皆さんが、物で出来ていると思っている宇宙・全世界は、実は心を清く澄ましてみれば、物でなく心である事が分かるのです。宗忠という人は、その事をはっきりと見、それが真実でまちがいの無い事である事を説き、その弟子たちもまた、自ら体験する事によって、それが真実であることを説き、多くの人々を、いろいろの悩みや苦しみから救ったのです。全世界・全宇宙は、物でもあるが心でもあるという事が大事です。普通の人、科学者たちはなおさらのこと、皆この世界・この宇宙は物の世界であると思っています。しかし、全世界・全宇宙の本当の姿は、心=清く澄みきった心であり、その心が神なのです。そういうわけで、神は全宇宙にみちみちているというのです。


生徒F: なるほど、分かるような気がします。


 


(5)神は光である。


先生:ところで、その清く澄みきった心の本の姿、究極の姿は光なのです。その光が全宇宙の中に照り輝いているのです。その事を自分の体験によって、つまり、心の目によって発見した宗忠は、その喜びを次のような歌で表わしました。


「天地の中に照り行く御宝を 今ぞ取り得し心楽しき」


意味は、天地宇宙の中に、いっぱい照り輝いている御宝(光=神=心)を、今発見することができた。なんと心の楽しいことであろう、という事です。


生徒A: なるほど。


 


(6)神は一つである。


先生:そういうわけですから、神は全宇宙の中にただ一つだけあるのです。


生徒B: しかし、日本にはあちこちに神社があって、そこにはいろいろな神様が祭られています。そういう神様たちは神様ではないのですか。


先生:それは大変よい事に気がつきました。そういう神様たちは神様にはちがいないのですが、その神々が出てきた元が、今まで見てきた一つの神なのです。


生徒B: なるほど。


 


(7)神は太陽と一体である。


先生:今まで神様の事について、いろいろ見てきました。次にもう一つ大事な事があります。


生徒C: それはどういう事ですか。


先生:神様は太陽と一体であるという事です。


生徒D: 太陽と神様が一体とはどういう事ですか。


先生:神様は目に見えない心の神である事については、今まで見てきたとおりです。ところが、太陽は物であって、目に見えるものです。この二つはどのようにして一体になるのか。この二つが一体であるとはどういう事なのか、これがD君の質問の内容だとおもいます。D君、どうでしょうか?


生徒D:はい、そうです。


先生:それでは、その事について次におはなししましょう。宗忠という人は、幼い時から大変親孝行の心の深い人でした。二十歳の頃、一番大きな親孝行は、自分が生きたまま神様になって、世の人々を救い、人々から尊敬される事であると思い、それから後は、心に悪いと思った事はしない、という修行を続けました。ところが、宗忠三十三歳の秋、ご両親が流行病のために、わずか七日の間にお亡くなりになりました。孝心深い宗忠は、悲しみのあまり、とうとう肺結核を患うようになり、ついには、医者からも見離され、死を待つばかりとなりました。そこで、宗忠は、自分が死んだら神となって、世の人々の病気を治してやろうと心に誓い、この世の別れに日の神・そのほかの神々、そして、ご両親やご先祖の御霊を拝んで、生きていた間の御恩に感謝し、落ち着いた気持ちで死を待っていました。その時宗忠は思いました。自分はもともと父母の死を悲しんで心を痛め、陰気になったために大病を患うようになったのであるから、面白く、楽しく思い、心を養って心さえ陽気に明るくなれば、病気は自然に治るはずである。ただ一息する間も心を養うのが孝行であると思い、見るにつけ聞くにつけ、有り難いと思って、心を養うようになってから、病気は、日に日に快方に向かいました。ある日、病床から這い出して、家の人が止めるのも聞かないで入浴し、日拝をして、日の神を拝んだところ、長年の病気は朝日に霜が消えるように一時に全快しました。その年の冬至の朝、いつものように太陽を拝んでいたところ、突然、太陽の光が胸中に入り、あまりに有り難く、嬉しく、思わず陽光を呑みこんだところ、太陽と自分と、全宇宙に照り輝いている天照らす大御神とが、一体になったという大きな体験をしました。このときの喜びを詠んだのが先ほど見た次の歌です。


「天地の中に照り行く御宝を 今ぞ取り得し心楽しき」


以上のような宗忠の体験から、太陽と天照らす大御神と人間とが一体である事が分かると思います。


生徒F:不思議な事です。


先生:本当に不思議な事です。この体験は、人類の歴史の中で、人間のなし得る最高の体験ではないかと思います。


生徒D:なるほど。


先生:ですから、「神様はどういうものか」と問われたら、「それは太陽のようなものです。」と答えるのが、一番良い答えではないかと思います。


生徒A:「太陽のようなもの」という事を、もっと具体的に教えてください。


先生:その事については、後で詳しく見て行く事になりますが、要点だけを言いますと、光り輝いている事、明るい事、丸い事、温かい事、万物を生み育てる事、生命が永遠である事などが挙げられると思います。


生徒一同:ありがとうございました。