4月の御教え
 







心にも身にもなやみのある人に


さとらせまほし道の(たのしみ) (河上忠晶高弟詠)









《解説》






 自殺者の数が十二年連続で年間三万人を超すという悲しいニュースに象徴されるように、今、日本国内には心にも身にも悩みを抱えた人が数多くいます。そして、“無縁社会”とも呼ばれる“個化”が進み、相談相手どころか、話をできる人さえもいない“独りぼっち”が世の中に(あふ)れています。


 今月の御教えは、このような時代に生きる私たち黒住教道づれに、先輩から与えられた重要な課題と受け取るべきではないかと思います。


 通信講座や週末修行の養心塾“道のいろは”、また百日間の専修科課程(学院修行)等を通して道(御教え)を学んだ方の多くが、「もっと早いうちに黒住教の教えを知っておくべきだった・・・」と共通した感想を述べて下さいます。「今が神機(ご神慮による好機)だったのですよ」と、後悔の心を持っていただかないように応答しますが、正直なところ、「私たちの“ご神縁むすび”の努力が足らなかったからではないか・・・」と反省することが度々あります。「黒住教は、布教をしないから安心」などと言われたりしますが、強引なやり方や毒のある言葉こそが厳しく非難されるべきであって、「(自分が信じる)教えを伝える、知らせる」という本当の意味での“布教”は、いずれの宗教にも欠かせない重要な信仰の実践です。それを怠っていたとすると、救いを求めている人に対しても何ら手を差し伸べていなかったことと同じです。


 専門的な知識などなくても、寂しい思いをしている人の話を(うなず)いて聞いてあげて、その人の開運を宗忠の神様に祈ることはできます。悲しみは分かち合うことで半減され、喜びは分かち合うことで二乗三乗されてより大きな喜びになるものです。病み、悩み、苦しむ人々のために祈り、我を離れて誠を尽くす道の仲間と共に、社会に役立つ黒住教信仰者でありたいと心から願っています。