6月の御教え
 

何事も()かし上手になる時は 有り難き事ばかりなりけり

  (星島良平高弟詠)


《解説》

  物事や時間の半分が過ぎたとき、「まだ半分」と思うか「もう半分」と思うかは、それが好きな事や楽しい時である場合と嫌いな事や辛い時である場合によって当然違ってくるものです。しかし、「もう半分しかない」と(あせ)りがちな好きな事や楽しい時、またかけがえのない時間でも「まだ半分もある」と余裕をもつこともできますし、「まだ半分しか過ぎてない」と滅入りがちな嫌いな事や辛い時、また堪えがたい時間でも「もう半分も済んだ」と気分を切り替えることもできます。「何事も考え方次第」といってしまえばその通りなのですが、それは単なる解釈の仕方というよりも、前向きに(とら)えることで気持ちの余裕と張りを生じさせる“心の用い方”です。


 心が()きてくると結果も活きてきます。思いもかけなかった良い結果が生じるものです。そして、その結果を素直に喜んで「有り難いことだ・・・」と感謝する気持ちになると、さらなる好結果につながるものです。冷静に事実を客観的に分析することはもちろん重要ですが、主体者たる自分自身が、“今”という二度とない瞬間を“ここ”という他にない現場に生きているという「あたりまえ」の有り難さに気づくと、心をいかに活かして生きるかが幸せに生きるための秘訣だということが分かります。


 途方もないことを申し上げるようですが、果てしない宇宙の中の銀河系の一部の太陽系の中の一つの惑星が私たちの生存する地球です。「私たちと同様の生命体が宇宙のどこかに存在するのか・・・」という夢は夢で(ふく)らみますが、最先端の科学をもってしても他には確認できない生命(いのち)が、この地球上には溢れています。同じ太陽系でも、両隣の金星と火星は片や灼熱、片や極寒だということも私たちは知っています。太陽との絶妙な距離と角度が生み出した奇跡の星が誕生して四十六億年という時の流れ中で、私たち人類が繁栄しているのは(わず)かなひとときの時間です。その地球上でも、温暖な気候と豊かな自然に恵まれ、他国に侵略されたことのない得がたい歴史を積み重ねてきた日本。わが国のみを良しとするものでは決してありませんが、まずはこの国に生まれ育ってきたことの喜びに感謝できる日本人でありたいものと思います。